大人の英語学び直し、4つの技能の学習法と文法の話、時制の要点

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ENGLISH COMPANYの英語勉強法ノートというサイトが、大人になってからの英語の学習について、とても分かりやすく書いてあったのでメモ。

単語、熟語の効率的な学び直し方

1.できるだけ多めの単語(20~50語)を1セットとする。セット内の英単語の音声を聞いて、発音しながら、英単語とその意味を目で見て確認する。
2.日本語訳を隠して、英単語を見て発音しながら、意味を思い浮かべる。その後日本語訳を見て、思い浮かんだ訳が正しいか確かめる。
3.覚えた単語・覚えられていない単語含め、セット内のすべての単語の意味がスムーズに思い浮かぶようになるまで、2.を繰り返す。5回ほど行なうと効果的。
4.翌日、前日に学習した単語の復習と新たな単語の学習を行なう。既習単語は2.の手順でさっと確認し、未習単語は1.~3.の手順で学ぶ。

記憶は「思い出そう」とするときに強化される仕組み。忘れかけているタイミングで再度単語に出会うことによって、より克明に単語の知識を記憶したり、保持していた記憶が一層強化されたりするのだと考えられています。翌日や3日後、1週間後などに、覚えた単語を再度学習するようにしましょう。

文法の効率的な学び直し方

文法のもつ意味を理解しながら学習を進めることです。そして、文法感覚をイメージとしてとらえてネイティブスピーカーのように直感的に英語を扱えるようにしていくアプローチで理解することで、無味乾燥なルールの暗記とは違った文法学習が進めやすくなります。

イメージで理解したあとは、身につけたい文法表現を含んだ例文を変化させながら声に出す「パターン・プラクティス」をしましょう。 "I am cooking dinner now." → "She is cooking dinner now." のように、主語や動詞など文の要素を部分的に変えて瞬間的に英語を話していきます。

英語リーディングの効率的な学び直し方

英文をすばやく読むためには「日本語に訳しながら読む」のではなく、英文を文頭から、英語の語順通りに理解できるようにする読み方をしなければなりません。一見難しそうに思えるかもしれませんが、「チャンクリーディング」という読み方をすれば、簡単にできるようになります。
チャンクリーディングは、英文を意味のかたまり(チャンク)ごとに読んでいく読み方です。チャンクごとに情景をイメージしながら、頭から順番に瞬時に読んでいきます。

チャンクの意味をしっかり理解できたら「音読」です。音読トレーニングを繰り返すことで、リーディングスピードを上げられます。
私たちは、英語を読むときに、脳内で音読をしていると言われています。目にした文字を、脳内で音に変換し、脳内にある「辞書」と照合して、意味を引き出していると考えられているのです。黙読よりも負荷の大きい音読をすることで、脳内で文字から音に変換するプロセスを無意識的に速くできるようにしていきます。その結果、音への変換にかかる脳のリソースを少なく抑えられるようになるため、「理解」の処理へすばやく移行でき、リーディングスピードが上がるのです。

英語リスニングの効率的な学び直し方

英語のリスニングの学び直しで鍵となるのは「音声変化」。ネイティブが自然に話すときに、発音しやすくするために音をつなげたり、省エネで発音したりする現象です。ネイティブスピーカーは、私たちが教科書などで習った音声と必ずしも同じように発音しているわけではありません。よって、私たちが想定している英語の発音と、実際にネイティブがしている発音にギャップがあるため、英語がうまく聞き取れないということが起きやすいのです。

「音声変化」のルールを確認できたら、流れてくる音声の最初から最後までピッタリ重ねて発音する「オーバーラッピング」や、音声より1、2語遅れて何も見ずにリピートする「シャドーイング」などに取り組むと効果的です。また、聞いた音声を紙に書き取ってどこが聞き取れなかったか確認する「ディクテーション」も行ない、聞き取れない課題を特定できるとさらに効果が上がりますよ。

この4項目について、更に細かく説明があるのでとても良い。
今一生懸命やっている英文法について、ホントにそれなと思ったので、これもメモ。

参照:英文法は難しい? 簡単に感じるとっておきのアプローチを伝授!
英文法が日本人にとって難しい原因

はじめに、文法用語が難しいこと。たとえば、受動態の「態」とはなんだと聞かれて、みなさんはすぐにイメージできるでしょうか。また、英文法の解説で何回も触れるにもかかわらず、仮定法の「法」、現在分詞の「分詞」、「不定詞」などの本当の意味を習っていないため、余計に混乱する学習者もいるでしょう。

さらに、文法用語のせいで使い方を誤解してしまう恐れもあります。たとえば、現在形。「現在」形と聞くと「いま現在」のことを指すようにも思えますが、問題なのが「時間や条件」を表す文のとき。以下の文のように、未来の描写でも、if節やwhen節は「現在」形で表す、というのがよくある解説でしょう。

If it rains (× will rain) tomorrow, the game will be canceled.
「もし明日雨なら、試合は中止されるだろう」

「未来」のことにもかかわらず、なぜ「現在」形を使うのか知らないため、かえって混乱してしまうのです。

英文法が難しいと感じるふたつめの原因は、日本語と英語の訳にギャップがあること。南山大学の今井隆夫教授は、英文法を日本語の概念に無理やり当てはめることで余計にわからなくなると指摘します。たとえば、"The train is stopping." という文。 電車は動いているか、止まっているか、どちらでしょうか。

じつは、正しい意味は「電車は止まりつつある」。電車はまだ動いているのです。

学校では、おそらく "be + 動詞ing" で「~している」と訳すと習ったはず。よって「電車は止まっている」と解釈した人もいるでしょう。じつは "be + 動詞ing" には、「している途中」という意味合いがあり、ある出来事が起きている途中であることを示しています。一方、日本語の「ている」には、物事の進行中以外には「住んでいる」「持っている」のように、状態の意味もあるのです。よって、英語の "be + 動詞ing" と日本語の「~している」は、必ずしも等しい概念にはなりません。

今度は「英語を習った」という文。過去形から、"I learned English." という英訳は思いつきやすいかもしれません。しかし英語では、現在完了の "I have learned English." とも訳出ができます。過去形の訳と微妙な意味合いの違いがあるのですが、日本語訳から違いを見分けるのは難しいでしょう。意味合いの違いが日本語訳に表れないため、過去形と現在完了形の適切な使い分けが難しいと感じてしまうのです。

これのあとに時制についての記事が続き、これは必読モノ。
これだよ、これ!知りたかったのは!

日本人学習者が時制を難しいと感じるのは「物理的な時間」としてとらえているためと指摘しています。むしろ、「場所」としてとらえるほうがシンプルとのこと。

現在形
認知文法では、現在を「いま自分がいる現実の世界」としてとらえます。例文を見てみましょう。

I often eat dinner at home.
「たいてい家で夕食を食べる」

上の例文は、夕食を食べる「いまの瞬間」を指しているのではなく、「現実の世界で繰り返される日常」を表しています。昨日、今日、そして明日も、家で夕食を食べるというイメージ。現在形は、過去も現在も未来も「いつでもそう」という「習慣」を指しているのです。

過去形
過去形が表すのは、「いまは現実ではない」という世界。「現実から距離が離れている」というイメージを指します。「もうすでに済んだ話で、いまは違う」という気持ちを「過去形」で表しているのです。たとえば、実際話している場で傘を持っていたとしても、"I forgot my umbrella yesterday."「昨日傘を忘れた」と述べることもできるでしょう。

現在完了形
動作動詞の現在完了は、「いま、やり終えた状態を抱えて(haveして)いる」というイメージです。動作動詞は、ある動作が「やり始め、やっている最中、やり終えたあと」のどの段階にあるのかを、形によって表しています。過去分詞が表すのは、「やり終えたあとの状態」。たとえば "I have drunk coffee." 「コーヒーを飲んでしまった」であれば、"drunk coffee" 「コーヒーを飲んだあとの状態」をいま抱えているということを描写しているのです。

一方、状態動詞の現在完了は、「過去のある時点からいままでの変わらない状態を、ずっと抱えて(haveして)いる)」というイメージ。 状態動詞は「やり始め」「やり終わり」は考えず、漠然と状態が続いている様子を表す動詞。たとえば、"I have known John for three years."「ジョンと知り合って3年になる」だと、「いまに至るまでの3年間、ジョンを知っている状態を抱えている」ということを表しています。

進行形
進行形は、「動作の途中」を表します。進行形は、動作動詞の「やっている最中、まだやり終えていない」部分を取り出している表現。たとえば "We are watching TV." だと、「テレビを見ている途中、テレビを見終えていない」という「未完了」の性質を進行形で示しています。

じつは、「動作の途中」という進行形のイメージを理解することで明らかになるのが、状態動詞を進行形にできない理由。動作動詞は、「やり始め」から「やり終わり」でなんらかの動作をすることで変化が生じています。先ほどの "We are watching TV." が示すのは、「テレビをつけて番組を見ていない状態」から「テレビを見終わって、番組を見た状態」へ変化していく途中の状態です。

一方、"I like baseball." のように、「野球が好き」と言う状態は、ずっと変わらず継続しているはず。「変化のない状態が続く」状態動詞に「変化の途中」という概念が存在しないため、進行形が存在しないのです。